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デジタルピアノで練習する際の落とし穴とは?知っておきたいデメリット

執筆者の写真: トルーシュ亜紀子トルーシュ亜紀子

近年、デジタルピアノはその手軽さや価格の安さ、サイズのコンパクトさから、多くのピアノ愛好者や初心者にとって魅力的な選択肢となっています。ですが、アコースティックピアノ(従来のピアノ)と比べて、デジタルピアノにはいくつかのデメリットが存在することも事実です。デジタルピアノでピアノを練習する際のデメリットについて考えてみたいと思います。


1. タッチ感の違い

デジタルピアノの最大のデメリットとして、タッチ感の違いが挙げられます。アコースティックピアノの鍵盤は、物理的に弦を打つことで音が出ますが、デジタルピアノはハンマーや鍵盤のメカニズムを再現することはできても、本来のピアノの音を真似た、もしくは録音された電子的な音を生成するため、鍵盤の反発力や重さ、弾力性が異なります。

アコースティックピアノでは、タッチを変化させることで表現を豊かにできるのに対し、デジタルピアノではその表現力が制限され、表現する感覚が十分に養えなえません。


2. 音のニュアンスの違い

アコースティックピアノでは、演奏者が鍵盤にかける力やペダルの使い方によって音の響きやニュアンスが無限に表現できますが、デジタルピアノではこのニュアンスがプログラムされたバージョンのみに限られます。高品質なデジタルピアノでも、音の立ち上がりや減衰がアコースティックピアノとは異なり、自然な響きを真似することしかできませんし、あくまでデジタル音なので、音波がかなり制限されています。


3. 音の反響や共鳴がない

アコースティックピアノは、弦が振動して音を出すとともに、ピアノ本体が共鳴し、空間に音が広がります。そのため、部屋の中で弾いていると、音が空間に響き、演奏者にもその音が届きます。デジタルピアノは電子音をスピーカーから出力するため、音が直接耳に届きますが、その反響や共鳴は得られません。

これにより、演奏者自身が音の広がりや響きを体感することが難しく、特に演奏技術を向上させる上では、音の立体感や空間的な広がりを感じることができないという欠点があります。


4. ペダルの効果の制限

アコースティックピアノでは、ペダルを使うことで音の響きやニュアンスを細かく調整することができます。特に、ダンパーペダル(右ペダル)を踏むことで、弦の共鳴が得られ、音に深みを加えることができます。

しかし、デジタルピアノでもペダルはついていますが、ニュアンスのある細かいペダリングなどで得られる効果が全く反映できません。


5. 音量調整が必要

デジタルピアノの利点として音量を調整できる点が挙げられますが、これが逆にデメリットになることもあります。どうやっても従来のピアノのような音量の幅を体感することができないので、このくらい強い打鍵でこのくらいの音量が得られるという感覚が狂ってきますので、いざアコースティックピアノを弾いた時に全然音量がでなかったり、逆に繊細なタッチが身につかなくなります。


6. 耐久性や劣化

デジタルピアノは、アコースティックピアノに比べて比較的軽量でコンパクトですが、その分耐久性において劣ることがあります。特に安価なデジタルピアノは、鍵盤や内部のコンポーネントが摩耗しやすく、長期間使用すると音質やタッチに変化が現れることもあります。

一方、アコースティックピアノは適切にメンテナンスすれば数十年にわたって使用でき、音質やタッチ感もほとんど変わりません。このため、長期的に考えると、デジタルピアノのメンテナンスや買い替えが頻繁に必要になることがあります。


7. 音楽の深い理解を得にくい

アコースティックピアノで演奏することは、音楽の深い理解を得るために重要な役割を果たします。弦楽器の物理的な特性、音の共鳴、鍵盤の反応、ペダル操作の細かなニュアンスを感じ取ることは、演奏者としての成長に欠かせません。デジタルピアノでは、このような体験が不足しているため、音楽を深く理解するのが非常に難しいといえるでしょう。


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デジタルピアノは便利なツールですね。私もデジタルピアノがあれば、夜譜読みなどの練習ができるメリットなどを考えると一台欲しいと思うことがあります。しかし、大事な基礎を形成する時期であればあるほどデメリットが大きいことを是非知っていただきたいです。

デジタルピアノで練習する方とアコースティックピアノで練習する方とではテクニック、理解力、表現力、意欲などでの大きな差が出てくる事は、身に染みて体感しています。ホールでの演奏の第一音からその方がどんな楽器で練習していたか、ピアノの先生ならばすぐにわかります。当教室ではデジタルピアノでのみの練習は禁止していますが、止むを得ずデジタルピアノでの練習の頻度が多くなってしまう時期には貸しピアノスタジオでの練習を合間にいれたり、教室でのレッスン回数を増やす、などの対策をとるようにおすすめしています。







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